2021年度のマカオのカジノ売上が発表されました。
2021年のカジノ売上レポートが出ていましたので、ゲーム別のランキングと合わせて紹介します。
2019年からコロナの影響で売上が劇的に落ち込んだ2020年を経て、2021年のカジノ収益や顧客行動はどのように変化したのでしょうか。
※情報は2022年2月17日現在。1MOP(マカオパタカ)=14円で換算しています。
マカオの総賭博収益
2021年 約876億MOP(1兆2,264億円)
2020年 約610億MOP(約8,540億円)
2019年 約2,933億MOP(約4兆1,062億円)
マカオの賭博関連の収益は、前年比43%アップです。
日本のパチンコ業界の粗利規模は2.35兆円(2020年)なので、2021年のマカオ市場はパチンコのおよそ半分にあたります。
2020年はマカオ内全カジノ一時閉鎖の影響もあり、総収益が1兆円を切るほど落ち込んでいました。
コロナの影響を受けていない2019年は4兆円を超えており、コロナ禍における各カジノの苦労がしのばれます。
マカオのギャンブル種類別収益ランキング2021
- カジノ 869億MOP(99.2%)
- サッカーくじ 415億MOP(0.5%)
- バスケットボールくじ 214億MOP(0.2%)
- 競馬 47億MOP(0.05%)
- 百鴿票 16億MOP(0.02%)
- スピードくじ 900万MOP(0.00001%)
※ドッグレースは2018年を最後に廃止されました。
カジノが圧倒的に大部分を占めていますね。
「百鴿票」というのは中国式の宝くじです。
[Booking.com]カジノゲーム別収益ランキング2021
- バカラ 484.1億MOP(6,777億円)56%
- VIPバカラ 284.9億MOP(3,989億円)33%
- スロットマシン 47.2億MOP(661億円)5%
- 大小 18.1億MOP(253億円)2%
- ライブビデオバカラ/ルーレット/大小 13.7億MOP(192億円)1.5%
- ブラックジャック 7.3億MOP(102億円)0.8%
- 3カードポーカー 3.3億MOP(46億円)0.3%
- カリビアンスタッドポーカー 3.2億MOP(45億円)0.3%
- ルーレット 2.6億MOP(36億円)0.3%
- ファンタン 1.7億MOP(24億円)0.2%
バカラが89%を占めています。
特筆すべきは、2020年以降平場とVIPが逆転している点です。
10年ほど前は、VIPバカラの収入が全体の6割を占めていました。
4位の大小と10位のファンタンは、マカオならではのゲームです。
大小はサイコロを3つ振って出た目を当てるゲーム。
ファンタンは、碁石などをお椀に入れ、4で割った余りがいくつになるかを当てるゲームです。
どちらもレトロな雰囲気が楽しく、ルールが簡単で分かりやすいことから人気があります。
国内旅行回復に伴い売上も回復傾向
マカオ市場の主なターゲットは中国の国内旅客です。
元々マカオを訪れる観光客の6割が中国大陸でしたが、現在はコロナによる入境規制の影響で100%になっています。
昨年のVIPバカラの売上は3割ほどですが、ジャンケットの経営者が相次いで逮捕された今年以降はどのように変化していくのか気になります。
これだけゲーミング収入が減った中でも、例年通りのマカオ市民全員に年14万円現金配布に加え、ツアーガイドやタクシードライバーなどの自由業向けに年14万円の補助金をくれるマカオ政府はとてもありがたいです。
カジノ経営会社ごとの収入は4月頃統計が出ますので、そちらもまた追って紹介します。