マカオで落し物を拾うと警察に逮捕される?監視カメラで犯罪抑止

最近マカオ市中に装備された監視システム「天眼」。

町中のいたるところに監視カメラがあるんです。

あまり気持ちのいいものではないのですが、防犯や犯人検挙にすごい威力を発揮しています

中でもよくニュースになるのが「遺失物横領(ネコババ)」の罪で逮捕されるケースです。

ちょうどWechatで警察から「ネコババは犯罪です!」というメッセージが来たのでツイッターに乗せたところ、反応をいただきましたので、まとめました。

 

 

 

落とし物を見つけたら拾う?

マカオ 落とし物 ネコババ

 

街でSuicaやお財布が落ちているのを見たことがありますか?

あなたなら、見つけたら拾いますか?

拾ったものはどうしますか?

 

  1. 見て見ぬふりをする、無視
  2. 無記名のSuicaなら持ち帰って使ってしまうかも
  3. 近くのお店に届ける
  4. しっかり警察へ届ける
  5. 時間がないからとりあえず拾って、身分証を見て本人へ送り返す

 

発見者のその時の都合や良心により、様々な対応が考えられますが、

マカオでの正解は1または4です。

その理由を順に説明します。

 

落とし物に対するマカオの法律

マカオ 落とし物 ネコババ

 

マカオ民法1247条および刑法200条の規定で、拾ったものを警察に届けないのは犯罪とされています。

落とし物を拾った際、それが2,000MOP(約27,000円)以上の価値があるものなら、その場で警察に通報しなければなりません。

2,000MOP未満のものであれば、通報するか、または例えばバスの中で忘れ物を見つけた場合はバス会社に引き渡すか、どちらでもOKです。

 

落とし物の持ち主が1年間現れなければ、届けた人のものになります。

1年以内に持ち主が現れた場合は、お礼を要求することができます。

要求できる報労金の金額は、

落とし物が2,000MOP以下なら総額の1割、

2千~2万MOP(約27万円)なら2千を超える額の5%、

2万MOP以上なら、2万を超える額の2%です。

 

拾ったものを通報せず所有した場合、有罪となり最高で1年間の懲役が科されます。

 

実際の逮捕例

マカオ 落とし物 ネコババ

 

監視システム「天眼」を駆使して、「落とし物がなくなった」と被害届が出てから数日で犯人が検挙されています。

実際に逮捕されたのは、お金やICカードを使ったりしていて、明らかにネコババ目的の人が大半です。

 

最近は、週に2回はこういったニュースを耳にします。

拾得物は現金、お財布、カバン、スマホ、宝飾品などが多いです。

 

  • マカオパス(ICカード)を落とした人が、再発行の際に80MOP(約1,100円)ほど不正利用されていると発覚、警察に通報。コンビニや自動販売機を利用した上、ICカードを捨てた50代のマカオ市民女性を逮捕。
  • 道で拾ったマカオパス(ICカード)を使用して、3軒のスーパーで合計250MOP(3,400円)の買い物をした50代のマカオ市民女性を、「天眼」システムで捜査の末逮捕。
  • バス停に現金やパソコンなど合計1.5万MOP(約20万円)相当の価値があるハンドバッグを置き忘れたと警察に届け出があり、「天眼」システムで捜査。64歳のマカオ市民女性を逮捕。
  • バス停のイスに携帯電話を置き忘れたと警察に届け出があり、「天眼」システムで捜査。5日後に66歳の男性とフィリピン籍の妻を逮捕。
  • 道で合計3.2万MOP(約43.2万円)の価値がある指輪2本を落としたと警察に届け出があり、「天眼」システムで捜査。9日後にフィリピン籍の40代男性と60代女性の夫婦を逮捕。

 

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マカオでは親切心で落とし物を拾うと逮捕される?

マカオ 落とし物 逮捕

 

日本人には、落とし物を見ると親切心で、思わず拾い上げてしまうという方は多いと思います。

説明不足で誤解を生んだかもしれませんが、安心してください。

マカオでも落とし物を拾ったからと言って、すぐに逮捕されるわけではありません。

基本的には日本と同じです。

また届け出があって初めて捜査を開始するため、自分が落とした物を拾うのは罪になりません

 

しかし、近くのお店に「落ちてたよ」と持って行っても、バスやタクシー車内の忘れ物を運転手などに渡すのと違い、面倒がって受け取ってくれない場合が多いと思います。

「自分で警察に行ってくれ」と言われるのが関の山です。

 

また「悪い人に盗まれたら心配だから私が拾って、旅行の最終日にガイドさんに渡しておこう」というのは危険です。

時間がなく数日間警察に行けなかった、拾得物をカバンに入れてうっかり忘れていたという場合は、悪気がなくとも逮捕される可能性があることに注意しましょう。

 

日本で落とし物を拾った場合犯罪になる?

日本でも、拾ったものを届けずに数日間手元に置いたままにすれば、犯罪と捉えられる可能性があります。

 

忘れ物を届け出ようと思っていたのであれば、持ち帰ってしまった時点では罪に当たらないと考えられることが通常です。

とはいえ、いつまでも放置しておくと犯罪とみなされるおそれが高まります。

  • 店舗や施設で拾った場合は24時間以内
  • 道端などで拾った場合は1週間以内

少なくとも上記の時間内には届け出た方がよいと言えます。

 

出典:他人の忘れ物を持ち帰ったら犯罪になる? 「置き引き」で問われる罪と罰則とは/べリーベスト法律事務所川崎オフィス

 

 

マカオで落とし物を発見した場合の対処法

マカオ 落とし物 警察

 

落とし物を発見したら、ベストな対処法は2つです。

  • その場ですぐ通報するか、
  • すぐに警察に届ける

 

時価総額3万円以下の忘れ物や落とし物を
交通機関や施設内で発見した場合は、
管理者に届け出ることもできます。

道端で拾ったものは、警察一択です。

 

見過ごせない、どうしても気になるという場合は、999(警察)に電話しましょう。

日本語は通じないので、英語または中国語が話せることが条件となります。

 

見て見ぬふり方がいい場合も

例えば旅行中であまり時間がなかったり、語学力に自信がないという場合は、冷たいようですが落とし物を見てもあえて触らない方がいいでしょう。

自ら面倒ごとに近づいていくようなものなので、いちガイドの意見としては「君子危うきに近寄らず」を推奨します。

 

警察署を探して調書を作るのに取られる時間や、通報して警察を待つ時間があれば、もっとたくさんの場所を観光できますよね。

慣れない土地で、外国語を使って警察とやり取りするには、かなりの労力が必要です。

 

大丈夫。

マカオの人は親切なので、きっと誰かが見つけて通報してくれますよ。

 

落とし物をした際に見つかりやすいという利点もある

マカオ 落とし物 見つかる

 

マカオでは「天眼」の活躍によって逮捕のスピードがとても早いため、拾得物を持ち帰った場合、すみやかに警察がやってくるリスクが高いです。

逆に言えば、自分が落とし物や忘れ物をした場合に、遺失物が返ってくる可能性が高いとも言えます。

 

 

以前、夫が現金4,000MOP(約5.4万円)あまりと身分証、クレジットカードが入ったお財布を落とした際、翌日警察から「財布が届いています」と連絡がありました。

中の現金もそっくりそのまま返って来たということで大変驚きましたが、千円でも使えば逮捕されるという意識があれば、ネコババをしようと思う人はほとんどいないでしょう。

 

マカオは犯罪の少ない街

マカオは「ネコババで逮捕」が1週間に何度も報道されるほど、凶悪事件がなく安全な街だとも言えます。

殺人を始め、暴力行為や強盗、虐待などのニュースはほとんど聞きません。

監視システム天眼が、マカオで犯罪抑止や治安維持に大きな効果を発揮しているという話題でした。

安心してマカオ旅行にいらしてくださいね。

 

マカオのガイドブックは地球の歩き方 マカオ 2018~2019がおすすめです。地図が素晴らしい。

以下におすすめのマカオ旅行本を紹介しておきます。

 

地球の歩き方 マカオ 2018~2019

 

 

マカオ行ったらこれ食べよう!: 地元っ子、旅のリピーターに聞きました。

CREA Traveller Autumn 2019 (新しさと懐かしさと 香港・マカオ)

 

  

ことりっぷマカオ’19

 

 

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