マカオの世界遺産を代表するランドマーク、そびえ立つ壁「聖ポール天主堂跡」は、マカオに来たら必ず1度は訪れたい有名観光スポットです。
マカオ半島旧市街地の世界遺産エリア内にあり、周囲に見どころもたくさんあるので、世界遺産めぐりの拠点にもおすすめです。
見どころやアクセス、合わせて訪れたい周辺の観光地などをまとめてご紹介します。
聖ポール天主堂跡とは
聖ポール天主堂跡は、16世紀にマカオに誕生した、アジア最大の教会です。火事により焼失し、17世紀に再建されましたが、3度目となる19世紀の火事で焼け落ちてしまいました。
その後再建されず、現在は教会の正面ファサードだけが壁のように残っています。
英語で「Ruins of St.Paul(ルインズ・オブ・セント・ポール)」、中国語で「大三巴(だいさんぱ)」と呼ばれています。
近くにタクシー停留所があり、移動も便利です。夜はライトアップされます。
見どころ
ファサードに刻まれた、緻密で美しい彫刻は必見です。
様々な彫刻1つ1つに意味があり、東西文化の交流地点として栄えたマカオならではの、東西文化が複雑に絡み合った意匠は見逃せません。
聖ポール天主堂跡のファサードは5層に分かれています。上から2層は天国の教会、下から2層は地上の教会を表したものです。中央の3層目が、人間と神様をつなぐミステリーの層と言われています。
とても愛されたマリア像
まず3層目の中央に位置する聖母マリア像は「教会で最も重要な存在」として大切にされました。
マリア像の周りを花の彫刻が囲んでおり、これは日本のシンボル菊の花を表します。
マカオで怪物になった徳川家康
次の見どころは、マリア像の右側にあるキングギドラのような7つの頭の怪物の彫刻です。
笑っているような表情の怪物は、日本でキリスト教を弾圧した徳川家康がモデルだと言われています。
聖母が怪物の頭を踏みつけており、聖母の右側には「龍の頭を踏みつける聖母」という漢字が刻まれています。
世界で唯一、香港・マカオ、台湾で使われている「繁体字(漢字の旧字体)」が刻まれた教会です。
死の恐怖に打ち勝った骸骨の像
続いて怪物の右手には骸骨の彫刻があります。骸骨が矢に倒れた様子は、死への恐怖に対する勝利を表したものです。
骨の足元には「死を忘れぬものに罪なし」という漢字が刻まれており、キリスト教の「メメント・モリ(死を想え)」を表現しています。
女性の姿をした悪魔
3層目の左側にあるのは、羽の生えた悪魔が矢に倒れている様子です。
悪魔の身体をよく見ると胸が大きく、女性の姿をしているのがわかります。
悪魔の足元に刻まれているのは、「人を罪悪に誘う悪魔」という言葉です。
マカオらしさNo.1!教会に狛犬
2層目と3層目の左右両端には、魔よけの獅子、狛犬の彫刻があります。
西洋の教会では絶対に見られない、東西文化の融合を表す最もマカオらしい部分の1つです。
中国のキリシタンは「教会もお寺も同じもの」だと思っていたので、教会にも狛犬を置きました。
地下の博物館&納骨堂も必見
聖ポール天主堂跡の地下にはイタリア人神父や、日本人キリシタンの遺骨が納めてある納骨堂があり、誰でも見学できます。
一度に入場できる人数に制限がありますので、混雑している場合は待つことがあります。
納骨堂を出ると「天主教藝術博物館」があり、キリスト教やイエズス会ゆかりの品を展示中です。
いずれも無料で見学できます。
室内はひんやりと冷房が効いているので、夏の暑い時期には特におすすめです。
行き方・アクセス
聖ポール天主堂には、タクシーか徒歩で行きましょう。
市営バスやシャトルバスを利用するなら、セナド広場経由で向かいます。
徒歩で
セナド広場やラザロ地区からは、徒歩で向かいます。
セナド広場から
「市政署」側から「ドミニコ教会」前を道なりに進んだら、1つめの角を左手に曲がり、お土産屋ストリートを進みます。
セナド広場入口から聖ポール天主堂跡まで、所要時間は15分ほどです。
ラザロ地区から
ポルトガル風の街並みが魅力のラザロ地区からは、徒歩5分ほどです。
「仁慈堂婆仔屋」横の階段を上り、道なりに石畳の道をまっすぐ進むと、タクシー乗り場が見えてきます。
タクシーで
タクシーに乗る際は、メモに「大三巴」と書いて運転手さんに渡すか、ガイドブックや地図を開いて指差しで伝えましょう。
読み方は広東語で「だいさんぱ」です。写真のタクシー乗り場でタクシーを降りたら、すぐ左手に聖ポール天主堂跡があります。
ガイドブックは地球の歩き方 マカオ 2018~2019がおすすめです。地図が素晴らしい。
シャトルバスなら
フェリーターミナルから
- リスボアホテル、グランドリスボア
- グランドエンペラーホテル
行きがセナド広場まで徒歩5~10分で最も近いです。
コタイ地区から
- MGMコタイ、スタジオシティから「澳門半島」行き(グランドエンペラー近く)
- ウィンパレスから「ウィンマカオ」行き
- ギャラクシーから「スターワールドホテル」行き
を利用しましょう。セナド広場まで徒歩5~15分です。
周辺の観光地と見どころ
聖ポール天主堂跡付近には、見どころがたくさんあります。ぜひ写真を撮りながら、ゆっくり過ごしてみてください。付近にはスタバなどカフェも数か所ありますよ。
写真撮影に最適!イエズス会紀念広場
聖ポール天主堂跡階段下の広場で、世界遺産の見どころの一つです。
聖ポール天主堂跡の記念写真は、ここから撮ると全体がきれいに写ります。中国とポルトガルの友好を表したブロンズ像も魅力的です。
施設情報
イエズス会紀念広場
住所:Largo da Companhia de Jesus
開放時間:24時間
360°の大パノラマ!モンテの砦
イエズス会の司祭により運営されていた要塞です。聖ポール天主堂と一つの大きな複合施設を成していました。ここから見る聖ポール天主堂跡も、趣があっておすすめです。
今でも大砲台のレプリカが残り、かつての様子を今に伝えています。眺めのいい場所で、マカオの旧市街地や中国本土を見渡せる、写真好きに人気の場所です。
マカオ博物館に隣接しており、火曜日から日曜日の営業時間内は博物館のエスカレーターを利用できます。博物館が休館のときは、ハイキング気分で歩いて上りましょう。
スポット情報
モンテの砦
住所: Praceta do Museu de Macau, No.112
開放時間:7:00~19:00、マカオ博物館10:00~18:00 (最終入館17:30)月曜休館、マカオの祝祭日開館
可愛らしい子どもの神様ナーチャ廟
1888年に建てられた道教のお寺です。子どもの姿をした力持ちでかわいい人気の神様、ナーチャ様をまつっています。
旧城壁をくぐるとナーチャ展示館があり、ナーチャ神の誕生祝いのお祭りの様子やおみこしなどが見学できます。
施設情報
ナーチャ廟
住所:Calçada de S. Paulo, No.6
開放時間:8:00~17:00、ナーチャ展示館は10:00~18:00(水曜休館、マカオの祝日なら開館)
マカオ防衛の歴史を語る旧城壁
ナーチャ廟に隣接しています。ポルトガル人が、マカオをスペイン軍やオランダ軍から守るために築いた城壁の一部が残っている場所です。ここからグランドリスボアと聖ポール天主堂跡のファサードの裏側を一緒に撮影すると、マカオの今昔を表した味のある写真になります。
スポット情報
旧城壁
住所:Calçada de S. Paul
開放時間:24時間
ポップでキュートな人気の恋愛巷
ピンクと黄色の壁に囲まれ、その間から聖ポール天主堂跡が見えるという、可愛らしい小さな通りです。スイーツのお店や宿泊施設、映画館があり、写真好きや観光客でいつもにぎわっています。
スポット情報
恋愛巷
住所:Travessa da Paixão
開放時間:24時間
聖ポール天主堂跡は外せないマカオのランドマーク!
聖ポール天主堂跡はマカオ最大の観光地ですが、何も知らずに見に行くと大きな壁が一枚あった!というだけの印象で終わってしまいます。
日本とマカオのキリスト教のつながりや、彫刻に隠された意味、周辺の施設や見どころを知っておくと、観光が何倍も楽しめますよ。
施設情報
聖ポール天主堂跡
大三巴
Ruins St. Paul
住所:Largo da Companhia de Jesus
開放時間:24時間
天主教藝術博物館および地下納骨堂
住所:Ruins of St. Paul’s, Macao
開放時間:9:00~18:00(最終入館17:30)
定休日:火曜日14:00以降