マカオの黒社会のお話でも少し紹介した、世界最大のジャンケット事業者であるサンシティグループのCEO、アルビン・チャウ氏。
今回中国浙江省の温州市公安局から逮捕状が出たということで、マカオ捜査当局は彼の身柄を拘束しました。
またこの件に関し、サンシティグループに関わりのある11名が合わせて逮捕されました。
日本では、サンシティグループが北海道ニセコに、中国富裕層向けの一大リゾートを開発計画していることで有名です。
逮捕の理由や影響はどのようなものでしょうか?
マカオカジノ仲介業大手サンシティグループCEOに逮捕状…中国温州市公安局|マカオ新聞
逮捕の理由
遠征賭博およびオンライン賭博のあっせん、資金洗浄が逮捕状の背景にあります。
中国本土で賭博客引き代行ネットワークを構築して、8万人の会員にサービスを提供、中国本土に資産管理会社を設立して、顧客の海外送金を助けた疑いがかけられています。
ここに流れた資金が莫大であることから、中国の社会管理秩序を著しく妨げる越境賭博シンジケートを率いていたとして中国当局が動いたようです。
温州市公安局のウェイボー(中国版Twitter)公式アカウントに逮捕状がポストされたということで、見せしめの意味が強いのでしょうか。
マカオのニュースでは、犯罪ニュースでおなじみの目と口の部分だけに穴が開いた黒い袋を頭にかぶって、捜査関係者らとともに車に乗り込むチャウ氏の写真が掲載されていました。
マカオはカジノが合法な娯楽として楽しまれていますが、中国で賭博は違法なんですよね。
それでマカオへカジノを楽しみに来る中国本土の観光客はとても多いです。
逮捕の影響と懸念
彼の逮捕によって、ジャンケットのVIP収益が今後30~50%減る可能性があるとモルガンのアナリストが伝えています。
サンシティグループは、ジャンケット市場の40%以上を占める世界最大の事業者であり、アルビン・チャウ氏は業界で最も影響力のあるセレブリティの1人です。
またマカオ当局は、中国公安局の逮捕状とは別件の独自の捜査による身柄確保であるとしていることから、例の治安維持法に絡んだ逮捕なのではないかとも噂されています。
代表であるアルビン・チャウ氏が欠けてしまった今、ニセコのリゾート開発に影響が出る可能性もあります。
今後の展開
今回のニュースは、マカオに大きな衝撃を与えました。
彼の身柄が中国に渡るのか、どのような判決が下されるのかは、マカオ市民にとっても大きな関心の的です。
続報が流れましたら、また紹介します。
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